森鍼灸整骨院ブログ

2026.07.31更新

この記事は、[つわり(妊娠中の吐き気・嘔吐)と妊娠悪阻とは?]の詳細版です。つわりと紛らわしい他の病気、つわりの原因研究、産科での詳しい対応、当院で確認する内容、より詳しいQ&Aについてご紹介します。基礎知識や当院の基本的な考え方については、まず概要記事もあわせてご覧ください。

 

〈妊娠中の嘔吐がすべてつわりとは限りません〉

妊娠初期に吐き気や嘔吐が起こると、つわりだと考えることが多いと思います。しかし、妊娠中の吐き気や嘔吐が、すべてつわりによるものとは限りません。特に、妊娠16週以降に初めて強い嘔吐が始まった、強い腹痛がある、発熱がある、下痢を伴う、排尿時に痛みがある、強い頭痛がある、持病がある、吐血があるといった場合には、胃腸炎、尿路感染症、胆のうや膵臓の病気、甲状腺疾患、妊娠に関連する他の病気などを確認する必要があります。症状をすべて「つわりだから」と決めつけず、気になる変化がある場合は産科へ相談してください。

 

〈つわりの原因研究について〉

つわりや妊娠悪阻が起こる詳しい仕組みは、まだ完全には解明されていません。近年では、胎盤由来のホルモンであるGDF15と、母体側のGDF15に対する感受性が、妊娠中の吐き気や嘔吐、妊娠悪阻に深く関係している可能性が報告されています。胎児・胎盤由来のGDF15と母体側の感受性の双方が、妊娠悪阻の発症リスクに関係すると考えられています。そのほか、hCG、エストロゲン、胃腸の動きの変化、匂いや味への感受性の変化、遺伝的な体質、過去の妊娠悪阻、多胎妊娠なども関係する可能性があります。

 

〈つわりは赤ちゃんに影響しますか?〉

軽度から中等度のつわりがあるからといって、すぐに赤ちゃんへの悪影響を心配する必要はありません。妊娠初期は、食べられる量や内容に日ごとの変動があっても、水分を摂ることができ、母体の状態が保たれていれば経過を見られることが多くあります。一方で、妊娠悪阻によって脱水や栄養不足、著しい体重減少が長期間続く場合には、母体の健康を守るためにも適切な治療が必要です。重症の妊娠悪阻では、妊娠経過に応じて赤ちゃんの発育を確認するための超音波検査が追加されることもあります。

 

〈産科での対応(詳細)〉

◎生活面での工夫:一度に多く食べず少量ずつ摂る、空腹になり過ぎる前に少量食べる、匂いの強い料理を避ける、脂肪分の多いものを控える、食事と水分を分けて摂る、十分に休息を取る。水、麦茶、炭酸水、経口補水液、氷など摂りやすいものを少量ずつ試す方法もありますが、どのような飲み物も保てない場合は産科へ連絡してください。

◎吐き気止め:妊娠中でも、症状や妊娠週数に応じて使用できる吐き気止めがあります。薬を使わずに我慢し続けることが、必ずしも母体や赤ちゃんにとって安全とは限りません。重い妊娠悪阻を治療せずに放置する影響が、医師から推奨された薬の潜在的な影響を上回る場合もあります。

◎点滴治療:水分を飲むことができない場合や脱水、電解質の乱れがある場合には、点滴によって水分や電解質を補給します。外来で受ける場合もあれば、症状が重い場合には入院管理となることもあります。

◎ビタミン補給:食事が長期間摂れない場合には、ビタミンB1などの補給が必要になることがあります。長期の嘔吐でビタミンB1が不足すると、まれに神経系の合併症を起こすリスクがあるため、適切な補給が重要とされています。

◎入院治療:強い脱水がある、点滴を受けても症状が改善しない、水分や内服薬を保てない、血液検査で異常がある、急激な体重減少がある、といった場合には入院が検討されます。

 

〈森鍼灸整骨院で確認すること〉

当院では、つわりの方全員に同じツボを使用するわけではありません。妊娠週数、産科での妊娠経過、吐き気が強くなる時間帯、嘔吐の回数、水分・食事の摂取状況、体重の変化、尿量の変化、匂いづわり・食べづわり・唾液づわりの有無、頭痛やめまい、睡眠状態、処方薬、点滴や入院の有無などを確認します。これらは妊娠悪阻を診断するためではなく、産科への相談が必要な状態を見逃さず、安全に施術を行うために確認するものです。水分が摂れない、ふらつきが強い、体重減少が著しいなど、医療的な対応が必要と考えられる場合には、施術を行わず産科への連絡をお願いすることがあります。

 

〈施術時の配慮(姿勢・匂い・時間)〉

つわりの症状がある方にとって、長時間同じ姿勢でいることや仰向けになることが負担になる場合があります。当院では、仰向け、横向き、上半身を起こした姿勢など、その日に最も楽に感じる姿勢で施術を行い、気分が悪くなった場合はすぐに中止・変更します。お灸の煙、消毒液、香水、食べ物の匂いなどで吐き気が強くなることもあるため、施術前に苦手な匂いを伺い、可能な範囲で配慮します。お灸の匂いがつらい場合は、鍼を中心とした施術に切り替えることも可能です。長時間の施術が負担になる場合は、施術時間を短く調整します。

 

〈より詳しいQ&A〉

Q. 食べづわりや唾液づわりにも対応できますか?
「吐きづわりだけでなく、空腹時に気持ち悪くなる食べづわりや、唾液が増える唾液づわりについてもご相談いただけます。ただし症状の程度には個人差があるため、必要に応じて産科への相談を優先します。」

 

Q. 点滴を受けながらでも施術できますか?
「点滴が必要なほど症状が強い場合は、まず産科での治療と休養を優先してください。体調が安定し、主治医から外出や鍼灸について問題がないと判断された後にご相談ください。」

 

Q. つわりが急になくなりました。大丈夫ですか?
「つわりの強さだけで妊娠経過が順調かどうかを判断することはできません。つわりが軽くなること自体は珍しくありませんが、出血や腹痛を伴う場合や、妊娠経過に不安がある場合は産科へ相談してください。」

 

Q. 匂いで気分が悪くなりやすいのですが、施術を受けられますか?
「施術前に苦手な匂いをお知らせください。お灸の煙や香りが負担になる場合は、お灸を使用せず鍼を中心に施術することも可能です。」

 

Q. 妊娠初期に鍼灸を受けても赤ちゃんに影響はありませんか?
「どのような施術についても、影響が絶対にないと保証することはできません。当院では妊娠週数や体調に配慮した穏やかな刺激で施術を行っていますが、出血、強い腹痛、発熱、水分が摂れないほどの嘔吐などがある場合は施術を行わず、まず産科への相談をお願いしています。」

 

〈ご来院前に確認していただきたいこと〉

ご予約前またはご来院前に、水分を摂ることができる、尿が出ている、強いふらつきがない、出血や強い腹痛がない、発熱がない、通院できる程度の体力がある、という点をご確認ください。来院途中に体調が悪化する可能性がある場合や、ご自身で移動することが難しい場合は、無理に来院しないでください。

次のような症状がある場合は、当院への連絡より産科への連絡を優先してください:水分を保てない、尿量が明らかに減っている、急激な体重減少、強いふらつき、意識がぼんやりする、出血、強い腹痛、発熱、吐血。母体と赤ちゃんの安全を最優先にし、産科の指示に従ってください。

 

〈まとめ〉

つわりと妊娠悪阻の境界は、吐いた回数だけでなく、水分・食事を保てているか、尿が出ているか、日常生活を送れているかで総合的に判断されます。つわりだからと自己判断せず、気になる症状があれば産科へ相談することが、母体と赤ちゃんの安全につながります。基本的な考え方や当院の施術方針については、[つわり・妊娠悪阻とは?]の記事もあわせてご覧ください。

 

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投稿者: 森鍼灸整骨院

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