森鍼灸整骨院ブログ

2026.07.28更新

この記事は、[不妊症・妊活とは?]の詳細版です。不妊治療で行われる検査や治療法、当院での治療段階別の施術方針、より詳しいQ&Aについてご紹介します。基礎知識や当院の基本的な考え方については、まず概要記事もあわせてご覧ください。

 

〈妊娠には多くの条件が関わります〉

妊娠が成立するまでには、卵胞が育つ、排卵が起こる、卵管が通っている、精子が卵子まで到達する、受精する、胚が成長する、子宮内膜に着床する、妊娠が継続する、といういくつもの段階があります。どこか一つだけを整えれば必ず妊娠できる、というものではなく、卵子・精子の状態、子宮や卵管の状態、ホルモン環境、年齢、生活習慣、持病や服薬、治療内容など、様々な要素が関係します。

 

〈不妊治療で行われる主な検査〉

不妊治療では、原因や身体の状態を確認するために、超音波検査、ホルモン検査、AMH検査、卵管通過性の検査、子宮内の検査、精液検査、感染症検査、甲状腺機能などの血液検査が行われます。検査内容は年齢や症状、治療歴によって異なります。鍼灸院で不妊の原因を診断することはできないため、まずは医療機関で必要な検査を受けることが大切です。

 

〈一般的な不妊治療(詳細)〉

◎タイミング法:排卵日を予測し、性生活のタイミングを合わせる方法。必要に応じて排卵誘発剤を使用することもあります
◎人工授精:採取・処理した精子を、排卵時期に合わせて子宮内へ注入する方法。受精や着床は体内で起こります
◎体外受精:卵巣から採取した卵子と精子を体外で受精させ、育った胚を子宮へ戻す方法
◎顕微授精:細い針を使って精子を卵子の中へ直接注入する方法。精子の数や運動率が低い場合、過去の体外受精で受精が難しかった場合などに行われます
◎凍結胚移植:採卵周期に得られた胚を凍結し、別の周期に子宮内膜を整えて移植する方法

 

〈治療段階に合わせた施術〉

妊活といっても、自然妊娠、タイミング法、人工授精、採卵、胚移植では身体の状態や治療内容が異なります。当院では、治療段階に合わせて施術方針を調整しています。

◎自然妊娠・タイミング法:月経周期、排卵の状況、基礎体温、冷え、睡眠、疲労などを確認しながら、周期全体を通して身体のコンディションを整えます。月経不順や排卵障害がある場合は、婦人科での検査・治療を優先していただきます。

◎人工授精:排卵誘発剤の使用状況や人工授精の日程を確認しながら、治療中の緊張や身体的な負担を整えることを目的に施術します。

◎採卵周期:使用している薬剤、卵胞の発育状況、採卵予定日などを確認します。卵巣が腫れている場合や腹部の張りが強い場合は、刺激量や施術部位に配慮します。採卵数や卵子の状態を鍼灸によって保証することはできませんが、採卵に向けて体調を整える目的で施術を行います。

◎胚移植前:子宮内膜の状態、移植日、使用薬剤などを確認しながら施術します。過度な刺激は避け、落ち着いて移植を迎えられる状態を目指します。

◎胚移植後:腹部・腰部への強い刺激を避け、体調に配慮して施術します。鍼灸によって着床を保証することはできませんが、治療後の緊張や睡眠、不安感などを整えることを目的とします。

◎妊娠判定後:妊娠週数や医療機関での診察状況を確認しながら、安全性に配慮したマタニティ施術へ切り替えます。出血、強い腹痛、急な体調変化がある場合は、施術よりも医療機関への相談を優先していただきます。

 

〈脈診を中心とした施術〉

当院では、毎回の施術前に脈の強さ・速さ・深さ・左右差などを確認しています。同じ患者様でも、月経周期、不妊治療の内容、睡眠、疲労、ストレスによって身体の状態は変化するため、その日の状態を確認しながら使用するツボや刺激量を調整します。鍼が苦手な方や刺激に敏感な方には、刺激量を抑えるなど無理のない方法をご提案します。

 

〈食事と生活習慣について〉

妊活では、特定の食品やサプリメントだけで妊娠できるわけではありません。一方で、極端な食事制限や栄養不足、急激な体重変化、睡眠不足などは、身体全体のコンディションに影響する可能性があります。当院では必要に応じて、たんぱく質・鉄・良質な脂質・野菜や食物繊維・血糖値が急激に上がりにくい食べ方・睡眠・適度な運動・過度な飲酒や喫煙を避けることなどについて、無理なく続けられる範囲でお伝えしています。「これを食べれば妊娠できる」「この栄養素で卵子の質が上がる」といった断定的な説明は行いません。持病がある方、服薬中の方、サプリメントを使用している方は、医師や薬剤師へ相談しながら進めることが大切です。

 

〈通院頻度の目安〉

一つの目安として、初期は7〜10日に1回程度、状態が安定した後は10〜14日に1回程度、採卵や移植周期は治療日程に合わせて調整することがあります。ただし、すべての方に同じ頻度をおすすめするわけではなく、治療スケジュール・体調・時間的や経済的な負担も確認しながら、無理なく継続できる計画をご提案します。

 

〈このような方におすすめです〉

自然妊娠を目指している方、妊活を始めたが何から取り組めばよいか分からない方、タイミング法や人工授精と並行して身体を整えたい方、採卵や胚移植に向けて体調を整えたい方、不妊治療による疲労やストレスが強い方、流産後に次の妊娠に向けて身体を整えたい方など。鍼灸が適しているか分からない場合も、現在の治療内容を伺ったうえでご説明します。

 

〈より詳しいQ&A〉

Q. 病院へ行く前に鍼灸を始めてもよいですか?

「施術を受けることは可能ですが、不妊の原因を鍼灸院で診断することはできません。年齢や症状に応じて、婦人科や生殖医療専門医で必要な検査を受けることが大切です。」

 

Q. 採卵周期でも施術を受けられますか?
「はい。卵胞の発育状況、使用薬剤、採卵予定日、腹部の張りなどを確認し、身体への負担に配慮して施術します。」

 

Q. AMHが低いと言われました。鍼灸で上がりますか?
「鍼灸によってAMHが上がると断定できる科学的根拠はありません。AMHは卵巣内に残っている卵胞数の目安の一つですが、卵子の質や自然妊娠の可能性を直接示すものではありません。年齢や他の検査結果も踏まえ、生殖医療専門医と治療方針を相談することが大切です。」

 

Q. 流産を繰り返しています。施術を受けられますか?
「施術は可能ですが、流産を繰り返している場合は、まず産婦人科や専門医へ相談し、必要な検査を受けることが重要です。当院では医療機関での検査・治療を優先したうえで、次の妊娠に向けた体調管理を目的に施術を行います。」

 

Q. 男性不妊にも対応していますか?
「男性側のご相談にも対応しています。ただし精子の数や運動率などの評価には精液検査が必要です。泌尿器科や生殖医療専門医での検査・治療を優先してください。鍼灸では、疲労・睡眠・ストレスなど身体全体のコンディションを整えることを目的とします。」

 

Q. 妊娠が分かった後も継続できますか?
「はい。妊娠判定後は妊娠週数や体調に配慮した施術へ切り替えます。出血、強い腹痛、つわりによる脱水などがある場合は、施術よりも医療機関への相談を優先してください。」

 

〈受診を検討した方がよい目安〉

次のような場合は、早めに婦人科・生殖医療専門医へ相談することをおすすめします。

避妊をせず1年以上妊娠に至らない
35歳以上で半年程度妊娠に至らない
月経周期が不規則、または3か月以上月経が来ない
強い月経痛がある
子宮内膜症やPCOSを指摘されている
卵管や子宮の病気、手術歴がある
流産を繰り返している
男性側に精液所見の異常がある
40歳以上で妊娠を希望している

年齢や既往歴によっては、これよりも早い受診が必要な場合があります。「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにせず、現在の状態を知ることが、納得できる妊活の第一歩になります。

 

〈まとめ〉

不妊治療は検査や治療法の選択肢が多く、何から始めればよいか分かりにくいものです。まずは婦人科・生殖医療専門医で現在の状態を正確に把握し、そのうえで治療段階に応じた身体づくりの一つとして鍼灸を取り入れていただければと思います。基本的な考え方や当院が妊活鍼灸に力を入れている理由については、[不妊症・妊活とは?]の記事もご覧ください。

 

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投稿者: 森鍼灸整骨院

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