森鍼灸整骨院ブログ

2026.07.26更新

自由が丘の森鍼灸整骨院、院長の森です。

 

「生理周期が35日以上と長い」「排卵していないと言われた」「妊活を始めたけれど、なかなか妊娠しない」——このようなお悩みの背景には、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が関係していることがあります。PCOSは比較的頻度の高い疾患とされ、排卵障害や月経不順、不妊の原因の一つですが、適切な診断と治療によって妊娠・出産を目指せる方も多くいらっしゃいます。この記事では、PCOSの基礎知識や一般的な治療の選択肢を整理したうえで、当院で大切にしている考え方や鍼灸でのアプローチについてご紹介します。

 

〈PCOSとは〉

PCOS(Polycystic Ovary Syndrome:多嚢胞性卵巣症候群)とは、卵巣の中に小さな卵胞が多数みられ、排卵が起こりにくくなる疾患です。「卵胞は育っているのに排卵しにくい状態」とイメージすると分かりやすいでしょう。診断は、月経異常(排卵障害)、超音波検査での多嚢胞性卵巣の所見、血液検査での男性ホルモン(アンドロゲン)高値、という要素を総合的に評価して行われます。欧米では肥満を伴うPCOSが多い一方、日本では標準体重や痩せ型の方にもみられることがあり、「太っていないからPCOSではない」とは言えません。

 

〈このような症状はありませんか?〉

  生理周期が35日以上ある
  生理が2〜3か月来ない
  排卵していないと言われた
  妊娠しにくい
  AMHが高いと言われた
  超音波で卵胞がたくさんあると言われた
  ニキビが増えた、体毛が濃くなった
  体重が増えやすい

※これらはPCOSを疑う目安であり、診断には婦人科での診察が必要です。

 

〈PCOSの原因〉

PCOSは一つの原因だけで起こるものではなく、インスリンの働きが低下する「インスリン抵抗性」、それに伴う男性ホルモンの増加、遺伝的要因などが関係すると考えられています。インスリン抵抗性によって男性ホルモンが増えやすくなり、卵胞の発育や排卵が妨げられることがあります。

 

〈放置するとどうなる?〉

排卵が起こらない状態が長期間続くと、月経不順や不妊だけでなく、子宮内膜増殖症・子宮体がんリスクの上昇、糖尿病、脂質異常症との関連も指摘されています。数か月生理が来ない状態が続く場合には、様子を見ずに早めに婦人科を受診することが大切です。

 

〈PCOSでも妊娠できますか?〉

「妊娠できますか?」というご質問を多くいただきますが、適切な治療によって妊娠・出産される方は多くいらっしゃいます。婦人科では、レトロゾールやクロミフェンなどの排卵誘発剤、タイミング法、人工授精、体外受精など、その方の状態に合わせた治療が行われます。肥満を伴う方では、体重を5〜10%程度減らすことで排卵が回復する場合もあります。

 

〈一般的な治療〉

◎妊娠を希望しない場合:低用量ピルなどで月経周期を整え、子宮内膜の異常な肥厚を防ぎます
◎妊娠を希望する場合:レトロゾール、クロミフェンなどで排卵を促します。インスリン抵抗性がある場合はメトホルミンが併用されることもあります
◎生活習慣の改善:体重管理も重要な治療の一つとされています

どの治療が適しているかは、症状・年齢・妊娠希望の有無などを踏まえて婦人科医と相談しながら決めることが大切です。

 

〈鍼灸で期待できること〉

PCOSに対する鍼灸については、月経周期や排卵に関する指標の変化を報告する研究がいくつか存在しますが、研究の規模や質にはばらつきがあり、効果を断定できるだけの十分に確立された科学的根拠があるとまでは言えないのが現状です。一方で、鍼灸はストレスや自律神経の調整を通じて、月経周期の乱れに伴う不調の軽減を目的とした補完療法として取り入れられることがあります。妊娠を希望される場合は、婦人科での排卵誘発治療などを優先していただくことを前提としています。

 

〈東洋医学ではどのように考える?〉

東洋医学では、PCOSのような排卵しにくい状態を、痰湿(たんしつ:余分な水分や代謝の停滞)、瘀血(おけつ:血流の滞り)、腎虚(じんきょ:生命力や生殖機能の低下)、脾虚(ひきょ:消化吸収機能の低下)、肝鬱(かんうつ:ストレスによる気の巡りの乱れ)などが関係していると考えます。体質は肥満傾向の方と痩せ型の方とで異なることも多く、当院では脈診・腹診を通してお一人おひとりの体質を確認しながら施術方針を決めています。

 

〈森鍼灸整骨院の施術方針〉

脈診・腹診を通して東洋医学的な体質を把握し、月経周期・基礎体温・排卵状況・冷え・睡眠・ストレス・食生活・体重変化などを総合的に確認したうえで、その時々のお身体に合わせた施術をご提案しています。4mm程度の「置き鍼」を用いることで、施術後も刺激が持続するよう工夫しています。

妊活中の方は、タイミング法・人工授精・体外受精など婦人科の治療スケジュールに合わせながら、無理のない通院計画を個別にご相談・ご提案しています。

当院では鍼灸だけでなく、妊娠に向けた身体づくりとして栄養面のアドバイスも大切にしています。鉄・たんぱく質・良質な脂質を十分に摂ることや、血糖値が急激に上がりにくい食事を意識することも、身体全体のコンディションづくりにつながると考えており、患者様の生活スタイルに合わせて無理なく続けられる形をご提案しています。

 

〈当院で経験した症例〉

婦人科での治療と並行しながら鍼灸を継続された患者様の中には、「月経周期が以前より整ってきた」「基礎体温の二相性が見られるようになった」と感じられる方もいらっしゃいます。

ただし、これらは個々の症例であり、鍼灸によって排卵や月経周期が改善したと断定できるものではありません。体調の変化には、体重の変化、婦人科での治療、生活習慣の改善など様々な要因が関与する可能性があります。

 

〈よくあるご質問〉

Q. PCOSは鍼灸だけで改善しますか?
「現在の医学では、鍼灸だけでPCOSが改善すると断定できる科学的根拠はありません。当院では婦人科での診察・治療を継続していただくことを前提に、身体全体のコンディションを整える目的で施術を行っています。」

 

Q. PCOSでも自然妊娠できますか?
「自然排卵が起これば自然妊娠は十分可能です。ただし、排卵しにくい状態が続く場合は婦人科での治療が必要になることがあります。」

 

Q. 痩せていてもPCOSになりますか?

「はい。日本では標準体重や痩せ型でもPCOSと診断される方が少なくありません。」

 

Q. 生理があれば排卵していますか?

「必ずしもそうではありません。PCOSでは月経があっても排卵していない「無排卵月経」のことがあります。」

 

Q. 鍼灸は保険適用されますか?
「PCOSへの鍼灸施術は基本的に自費診療となります。詳しい料金は[料金表]をご覧いただくか、お電話・LINEでお問い合わせください。」

 

〈まとめ・受診の目安〉

PCOSは月経不順や不妊の原因となることがありますが、適切な診断と治療によって妊娠を目指せる疾患です。生理が長期間来ない場合は、様子を見ずにまずは婦人科で正確な診断を受けましょう。

そのうえで「体質から整えていきたい」「婦人科の治療と並行してケアもしたい」とお考えの方は、鍼灸という選択肢もあります(詳しくは[妊活・不妊鍼灸の記事]もご覧ください)。森鍼灸整骨院では、西洋医学による治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、お一人おひとりの体質やライフスタイルに合わせた施術をご提案しています。

 

【LINEでのご相談も承っております】

投稿者: 森鍼灸整骨院

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