森鍼灸整骨院ブログ

2026.07.26更新

自由が丘の森鍼灸整骨院、院長の森です。

 

「生理前になるとイライラして家族に当たってしまう」「毎月同じ時期になると気分が落ち込み、仕事にも集中できない」——このような月経前特有の心身の不調でお悩みではありませんか。PMS(月経前症候群)は多くの女性が経験する症状ですが、「我慢するもの」と思われ、適切なケアを受けられていない方も少なくありません。この記事では、PMSの原因や症状、PMDDとの違い、一般的な治療、そして当院で行っている鍼灸の考え方についてご紹介します。

 

〈PMSとは〉

PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)とは、月経が始まる3〜10日前頃から現れ、月経開始とともに軽快・消失する身体的・精神的症状を指します。生殖年齢の女性の多くが月経前に何らかの不調を経験するといわれていますが、日常生活や仕事、人間関係に支障をきたす程度の症状がある場合にPMSと診断されます。

 

〈PMSセルフチェック〉

次のような症状はありませんか?

 ✓ 生理前になると毎月イライラする
 ✓ 気分が落ち込みやすい
 ✓ 眠気が強くなる
 ✓ 甘いものが無性に食べたくなる
 ✓ 頭痛が起こる
 ✓ むくみやすい、胸が張る
 ✓ 生理が始まると症状が軽くなる

複数当てはまる場合はPMSの可能性があります。

※このチェックリストは診断ではありません。気になる症状がある場合は婦人科へご相談ください。

 

〈PMSの原因〉

PMSの原因は、現在でも完全には解明されていません。最も有力と考えられているのは、排卵後に起こる女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動に対する身体や脳の反応で、セロトニン・GABA・ドーパミンなどの神経伝達物質の働きが影響していると考えられています。ストレス、睡眠不足、過労、食生活、運動不足なども症状を強くする要因になることがあります。

 

〈主な症状〉

PMSの症状は非常に多岐にわたるといわれています。

身体症状:頭痛、乳房の張り・痛み、下腹部の張り、腰痛、むくみ、便秘、肌荒れ、眠気、不眠など

精神症状:イライラ、怒りっぽくなる、気分の落ち込み、不安感、涙もろくなる、集中力の低下、やる気が出ないなど

これらの症状は月経開始とともに軽くなっていくのが特徴です。月経が始まっても改善しない場合は、別の疾患が関係している可能性もあります。

 

〈PMDD(月経前不快気分障害)との違い〉

PMSの中でも、精神症状が特に強く、強い抑うつ・激しいイライラ・強い不安・感情のコントロールの難しさによって仕事や家庭生活、人間関係に大きな支障が出る状態を「PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder:月経前不快気分障害)」といいます。PMDDは治療が必要な疾患で、婦人科だけでなく精神科・心療内科との連携が必要になることもあります。

※希死念慮や自傷行為を考えるほどのつらさがある場合は、我慢せず速やかに医療機関へご相談ください。

 

〈このような場合は婦人科へご相談ください〉

- 毎月仕事や学校を休むほど症状が強い
- 家族との関係に影響が出ている
- 強い気分の落ち込みがある
- 生理が始まっても改善しない
- 月経周期とは関係なく症状が続く
- 「PMSだから」と思っていたが年々悪化している

PMS以外の疾患が隠れている場合もあるため、自己判断せず専門医の診察を受けることが大切です。

 

〈一般的な治療〉

婦人科では、規則正しい睡眠や運動など生活習慣の改善、低用量ピル(LEP)、漢方薬、SSRI(抗うつ薬:PMDDなど精神症状が強い場合)といった治療が、症状の程度に応じて行われます。どの治療が適しているかは、症状や生活背景によって異なるため、婦人科医と相談しながら決めることが大切です。

 

〈鍼灸で期待できること〉

現在の医学では、鍼灸によってPMSそのものを改善する十分に確立された科学的根拠はありません。一方で、国内外ではPMSに対する鍼灸の研究が行われており、月経前のイライラ・不安感・頭痛・腹部の張り・全身の倦怠感などの症状軽減やQOL(生活の質)の向上を報告する研究もあります。ただし研究方法や対象者数にはばらつきがあり、すべての方に同じ効果が期待できると結論づけられる段階ではありません。

当院では「PMSを鍼灸で治す」のではなく、婦人科での診断・治療を大切にしながら、心身のバランスを整える補完療法の一つとして鍼灸をご提案しています。

 

〈東洋医学ではどのように考える?〉

東洋医学では、同じPMSでも原因は一つではないと考えます。イライラが強いタイプは、ストレスの影響を受けやすく気の巡りが滞っている状態(肝気鬱結)。むくみ・眠気が強いタイプは、消化吸収を担う「脾」の働きが低下し水分代謝が悪くなっている状態(脾虚・痰湿)。生理痛や張りを伴うタイプは血液の巡りが滞った状態(瘀血)。疲れやすく落ち込みやすいタイプは気や血が不足している状態(気血両虚)が背景にあると考えます。当院では脈診・腹診を通して、その方の体質を確認したうえで施術方針を決定しています。

 

〈森鍼灸整骨院の施術方針〉

脈診・腹診を通して東洋医学的な体質を把握し、月経周期・冷え・睡眠・ストレス・疲労・食生活なども総合的に確認しながら施術を進めます。4mm程度の「置き鍼」を用いることで、施術後も日常生活の中で穏やかな刺激が持続します。

PMSでご来院される方は、症状が出やすい排卵後から月経開始前に合わせて施術を受けられることが多く、体質改善を目的とする場合は月1〜2回程度の継続施術をご提案しています。通院頻度は症状や体質を確認しながら個別にご相談します。

 

〈当院で経験した症例〉

「毎月、生理前になると気分が不安定になる」「イライラして家族に当たってしまう」「頭痛やむくみがひどく仕事に集中できない」といったお悩みで来院される患者様が多くいらっしゃいます。施術を継続された患者様の中には、「月経前でも気持ちが安定してきた」「以前よりイライラが少なくなった」「頭痛薬を飲む回数が減った」と感じられる方もいらっしゃいます。

ただし、これらは個々の症例であり、鍼灸によってPMSが改善したと断定できるものではありません。症状の変化には、自然経過、生活習慣の改善、睡眠、食事、ストレスの変化、婦人科治療など様々な要因が関与している可能性があります。

 

〈よくあるご質問〉

Q. PMSとPMDDはどう違うのでしょうか?
「PMDDは、PMSの中でも精神症状が特に強く、仕事や家庭生活、人間関係に大きな支障をきたす状態です。自己判断せず、婦人科や心療内科へご相談ください。」

 

Q. 生理が始まると症状が治まります。それでもPMSですか?
「月経開始とともに症状が軽快することはPMSの代表的な特徴です。月経後も症状が続く場合は、別の疾患が関係している可能性もあります。」

 

Q. 低用量ピルを服用しながら鍼灸を受けられますか?
「はい。現在の治療内容を確認したうえで施術を行います。婦人科での治療を継続していただくことを前提としています。」

 

Q. PMSは年齢とともに悪化しますか?
「個人差があります。加齢だけでなく、ストレスや生活環境、ホルモン変化なども症状に影響します。症状が年々強くなる場合は、一度婦人科で相談されることをおすすめします。」

 

Q. 妊活中でも鍼灸を受けられますか?
「はい。妊娠をご希望の方でも施術は可能です。現在の治療状況や月経周期を確認しながら施術を行います(詳しくは[妊活・不妊鍼灸の記事]もご覧ください)。」

 

Q. 鍼灸は保険適用されますか?
「PMSに対する鍼灸施術は基本的に自費診療となります。詳しくは[料金表]をご覧いただくか、お電話・LINEにてお問い合わせください。」

 

〈まとめ・受診の目安〉

PMSは多くの女性が経験する身近な症状ですが、「毎月だから仕方がない」と我慢してしまう方も少なくありません。毎月仕事や学校を休むほどつらい、家庭生活や人間関係に影響が出ている、気分の落ち込みや不安が強い、月経が始まっても症状が改善しないといった場合は、PMDDや他の疾患が隠れている可能性もあるため、まずは婦人科で相談することが大切です。

そのうえで「薬だけに頼るのではなく身体全体の状態も整えたい」という方にとって、鍼灸は補完的な選択肢の一つとなる場合があります。森鍼灸整骨院では、西洋医学による診断・治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、お一人おひとりの体質や症状に合わせた施術をご提案しています。

 

【LINEでのご相談も承っております】

投稿者: 森鍼灸整骨院

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