森鍼灸整骨院ブログ

2026.07.24更新

自由が丘の森鍼灸整骨院、院長の森です。

 

「健診で子宮筋腫が見つかった」「経過観察と言われているが、生理の量が多くて不安」「貧血もあるが、できれば手術は避けたい」——当院には、こうしたお悩みでご相談いただく患者様が数多くいらっしゃいます。この記事では、子宮筋腫の基礎知識や一般的な治療の選択肢を整理したうえで、当院で大切にしている考え方や鍼灸でのアプローチについてご紹介します。

 

〈子宮筋腫とは〉

子宮筋腫とは、子宮の筋肉(平滑筋)にできる良性の腫瘍です。日本産科婦人科学会によれば、30歳以上の女性の3割前後に子宮筋腫を認めるとされ、頻度の高い疾患です。女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて大きくなる性質があり、閉経後は多くの場合縮小する傾向があります。良性で命に関わることは少ないですが、大きさや場所によっては月経量の増加や貧血、不妊との関連がみられることがあります。

 

〈子宮筋腫ができる原因〉

子宮筋腫がなぜできるのか、詳しい原因は完全には解明されていません。女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の影響を受けて発育することは分かっており、遺伝的な要因が関与する場合もあると考えられています。「食生活が悪いから」「ストレスだけが原因」といった単純なものではなく、妊娠中に大きくなる一方、閉経後はホルモン分泌の減少とともに縮小する傾向があります。

 

〈できる場所による3つのタイプ〉 

タイプ特徴出やすい症状
筋層内筋腫 子宮の筋肉の中にできる、最も多いタイプ 月経量の増加、月経痛、下腹部の張り
漿膜下筋腫 子宮の外側へ向かって大きくなるタイプ 頻尿、便秘、下腹部の圧迫感など周囲臓器の圧迫症状
粘膜下筋腫 子宮の内側(内膜側)にできるタイプ 比較的小さくても月経量の増加、不正出血、貧血、不妊との関連

 妊娠を希望される方は、特に粘膜下筋腫との関連について婦人科で十分に相談することが大切です。

 

〈主な症状〉

月経量の増加(過多月経)、レバー状の血の塊、月経痛、下腹部の張り、腰痛、頻尿、便秘、貧血、不妊、流産との関連(特に粘膜下筋腫)などがみられることがあります。筋腫が小さい場合やできる場所によっては、自覚症状がほとんどないこともあります。

◎次のような場合は、自己判断せず婦人科を受診しましょう。

✅ 月経量が急に増えた
✅ レバー状の血の塊が多く出る
✅ めまい・動悸・息切れなど貧血症状がある
✅ 下腹部が急に大きくなった
✅ 頻尿や便秘が続いている
✅ 妊娠を希望している

急速に大きくなる腫瘍では、まれに悪性腫瘍(子宮肉腫など)との鑑別が必要になる場合もあるため、婦人科での定期的な診察・画像検査が大切です。

 

〈一般的な治療の選択肢〉

治療方針は、筋腫の大きさ・場所・症状の有無・年齢・妊娠希望などを総合的に判断して決められます。

◎経過観察:症状がほとんどなく悪性を疑う所見がない場合、定期的な検査で変化を確認します(「放置する」という意味ではありません)
◎薬物療法:LEP(低用量ピル)、黄体ホルモン製剤、GnRHアゴニスト・アンタゴニストなどで月経量・月経痛を軽減します。貧血がある場合は鉄剤での治療も行われます
◎手術療法:筋腫核出術(筋腫のみ摘出)、子宮全摘術、子宮動脈塞栓術(UAE)など、症状や妊娠希望に応じた選択肢があります

どの治療法を選ぶかは、症状だけでなく将来の妊娠希望やライフプランも含めて婦人科医と相談しながら決めることが大切です。

 

〈鍼灸で期待できること〉

現在の医学では、鍼灸によって子宮筋腫そのものが縮小・消失することを示す十分な科学的根拠は確立されていません。一方で、月経痛・下腹部の張りや圧迫感・腰痛・慢性的な疲労感など筋腫に伴う症状については、補完療法として鍼灸を取り入れることで症状の軽減やQOL(生活の質)の向上を目的とした研究が報告されていますが、研究の質にはばらつきがあり、効果を断定できるものではありません。

当院では、筋腫そのものを治療するという考えではなく、子宮筋腫によって起こる身体の不調をできるだけ軽減し、日常生活を送りやすい身体づくりをサポートすることを目的に施術を行っています。月経量が急に増えた、強い貧血がある、筋腫が急速に大きくなっているといった場合は、まず婦人科での診察・治療を優先していただくことを大切にしています。

 

〈子宮筋腫と貧血の関係〉

子宮筋腫では、過多月経によって鉄欠乏性貧血になることがあります。貧血になると、疲れやすさ、めまい、動悸、息切れ、集中力の低下などが現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。貧血が疑われる場合は、鍼灸だけで対応するのではなく、婦人科や内科で血液検査を受け、必要に応じて鉄剤などの治療を受けることが大切です。当院でも、患者様のお話や検査結果を確認しながら、必要に応じて医療機関の受診をおすすめしています。

 

〈東洋医学ではどのように考える?〉

東洋医学では、子宮筋腫のような「かたまり」ができる背景に、身体全体のバランスの乱れが関係していると考えます。瘀血(おけつ:血の巡りが滞っている状態)、痰湿(たんしつ:余分な水分や老廃物の停滞)、気滞(きたい:ストレスなどによる気の巡りの停滞)などがあり、月経量が多く貧血がある方、下腹部の張りが強い方、冷えが強い方など、同じ子宮筋腫でも状態は異なります。当院では「子宮筋腫だから同じ施術」ではなく、脈診・腹診を通してお一人おひとりの体質を確認したうえで施術を行っています。

 

〈森鍼灸整骨院の施術方針〉

脈診・腹診を通して東洋医学的な体質を把握し、月経周期・冷え・睡眠・ストレス・疲労の蓄積・食生活なども施術方針を決める要素として考えています。4mm程度の「置き鍼」を用いることで、施術後も刺激が持続するよう工夫しています。婦人科での診断や治療方針を尊重したうえで、症状だけでなく「これからどのような生活を送りたいか」という患者様の思いにも寄り添うことを大切にしています。

通院の目安は、初回から7回前後は7〜10日に1回、その後は10〜14日に1回のペースが多く、脈の状態を見ながら調整します。

 

〈当院で経験した症例〉

婦人科での経過観察・薬物療法と並行しながら鍼灸を継続された患者様の中には、月経量が以前より気にならなくなった、月経痛が軽くなった、下腹部の張りが和らいだと感じられる方もいらっしゃいます。

ただし、これらは個々の症例であり、鍼灸によって筋腫が縮小した、症状が改善したと断定できるものではありません。症状の変化には、婦人科での治療や生活習慣、自然経過など様々な要因が関与する可能性があります。閉経が近づくと筋腫自体が縮小する傾向があることも、経過に影響する一因です。

※今後、患者様の同意を得たうえで、画像所見や経過を含めた症例紹介ページも順次公開していく予定です。

 

〈よくあるご質問〉

Q. 鍼灸だけで子宮筋腫は治りますか?
「鍼灸だけで治る、縮小すると断定できる科学的根拠はありません。当院では婦人科での治療を継続していただくことを前提に施術を行っています。」

 

Q. 経過観察と言われました。何もしなくても大丈夫ですか?
「経過観察は「放置する」という意味ではありません。婦人科での定期的な検査を続けながら、身体の状態を整える目的で鍼灸を取り入れる方もいらっしゃいます。」

 

Q. 子宮筋腫があると妊娠できませんか?

「子宮筋腫があっても妊娠される方は多くいらっしゃいます。ただし筋腫の場所や大きさによっては妊娠に影響することがあるため、婦人科で治療方針をご相談ください(詳しくは[妊活・不妊鍼灸の記事]もご覧ください)。」

 

Q. 貧血がひどいのですが、鍼灸を受けても大丈夫ですか?
「施術は可能ですが、貧血の程度によっては婦人科や内科での治療が優先されます。現在の治療状況を伺ったうえで施術をご提案します。」

 

Q. 閉経すると子宮筋腫はなくなりますか?
「多くの場合、閉経後は女性ホルモンの分泌が減少するため筋腫は縮小する傾向がありますが、すべての筋腫が消失するわけではなく、定期的な経過観察が大切です。」

 

Q. 運動をしても大丈夫ですか?
「症状が安定していれば、一般的に適度な運動は問題ありません。症状が強い場合や医師から制限を受けている場合は、その指示を優先してください。」

 

Q. 鍼灸は保険適用されますか?
「子宮筋腫への鍼灸施術は基本的に自費診療となります。詳しい料金は[料金表]をご覧いただくか、お電話・LINEでお問い合わせください。」

 

〈まとめ・受診の目安〉

子宮筋腫は頻度の高い良性疾患ですが、「筋腫があること」自体よりも、どのような症状があり日常生活にどの程度影響しているかが大切です。月経量の急な増加や貧血症状、急激な増大がある場合は、まず婦人科で正確な診断を受け、治療方針を確認しましょう。

そのうえで「経過観察と言われたが不安がある」「身体全体のケアもしていきたい」という方は、鍼灸という選択肢もあります。森鍼灸整骨院では、西洋医学による治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、お一人おひとりの体質やライフステージに合わせた施術をご提案しています。

 

【LINEでのご相談も承っております】

投稿者: 森鍼灸整骨院

2026.07.24更新

自由が丘の森鍼灸整骨院、院長の森です。

生理痛は多くの女性が経験する症状ですが、「毎回鎮痛剤が手放せない」「年々痛みが強くなっている気がする」という場合、単なる体質だけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫など別の疾患が隠れていることもあります。この記事では、生理痛の原因や種類、婦人科での一般的な対応を整理したうえで、当院で大切にしている考え方や鍼灸でのアプローチについてご紹介します。

「毎月の生理痛がつらいが、これくらいで婦人科に行っていいのか分からない」「鎮痛剤に頼りすぎているのが不安」——当院には、こうしたお悩みでご相談いただく患者様が数多くいらっしゃいます。

 

〈生理痛とは:原発性と続発性の違い〉

生理痛(月経困難症)は、大きく「原発性」と「続発性」の2つに分けられます。

◎原発性月経困難症:子宮や卵巣に明らかな病気がないにもかかわらず起こる生理痛です。10代〜20代に多く、加齢や出産を経て軽くなる傾向があるとされています。
◎続発性月経困難症:子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症など、何らかの疾患が原因で起こる生理痛です。20代後半以降に増え、年々痛みが強くなる、鎮痛剤が効きにくくなるといった特徴がみられることがあります。

「年々ひどくなっている」「今までと痛みの質が変わった」と感じる場合は、続発性の可能性も考えて婦人科で相談することが大切です。

 

〈生理痛の原因〉

原発性月経困難症の主な原因は、月経時に子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン」という物質です。これが子宮を収縮させて経血を排出する働きを持つ一方、過剰に分泌されると強い痛みや、頭痛・吐き気などを伴うことがあります。

続発性月経困難症の場合は、子宮内膜症(詳しくは[子宮内膜症の記事])や子宮筋腫、子宮腺筋症といった疾患そのものが痛みの原因となります。これらは婦人科での診察・画像検査で確認する必要があります。

 

〈主な症状〉

- 下腹部の痛み、締め付けられるような痛み
- 腰痛、頭痛、吐き気、下痢や便秘
- 経血量の変化(量が多い、レバー状の塊が出るなど)

◎次のような場合は、婦人科での受診をおすすめします。

市販の鎮痛剤が効きにくい、年々痛みが強くなっている、日常生活や仕事に支障が出るほどの痛みがある、経血量が急に増えた・貧血症状がある、といった場合です。これらは続発性月経困難症のサインである可能性があります。

 

〈一般的な治療〉

婦人科では、まず原発性か続発性かを見極めたうえで治療方針が決められます。

◎鎮痛剤(NSAIDs):痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑える薬で、原発性・続発性いずれにも用いられます
◎低用量ピル(LEP)・黄体ホルモン製剤:排卵を抑えることで月経量や痛みそのものを軽減する治療法です
◎続発性の場合:原因疾患(子宮内膜症・子宮筋腫など)そのものへの治療が優先されます

自己判断で市販薬だけに頼り続けるのではなく、痛みの背景に何があるかを婦人科で確認することが第一歩になります。

 

〈鍼灸で期待できること〉

生理痛に対する鍼灸については、痛みの軽減を報告する研究がいくつか存在しますが、研究デザインや質にはばらつきがあり、効果を断定できるだけの十分に確立された科学的根拠があるとは言い切れないのが現状です。一方で、鍼灸は骨盤内の血流や自律神経の調整を通じて、生理痛に伴う不快感の軽減やQOL(生活の質)の向上を目的とした補完療法として取り入れられることがあります。

続発性月経困難症が疑われる場合は、まず婦人科での原因疾患の診断・治療を優先していただいた上で、当院では身体全体のコンディションを整える目的で施術を行っています。

 

〈東洋医学ではどのように考える?〉

東洋医学では、生理痛を「痛経(つうけい)」と呼び、体質によっていくつかのタイプに分けて考えます。瘀血(おけつ:血の巡りが滞っている状態)、気滞(きたい:ストレスなどによる気の巡りの停滞)、寒凝(かんぎょう:冷えによる巡りの悪化)、気血両虚(ききょけつきょ:気や血そのものが不足している状態)などがあり、同じ「生理痛」でも体質によってアプローチが異なると考えます。当院では脈診・腹診を通して、お一人おひとりの体質を見極めたうえで施術方針を決めています。

 

〈森鍼灸整骨院の施術方針〉

脈診・腹診を通して東洋医学的な体質を把握し、月経周期・冷え・睡眠・ストレス・疲労の蓄積・食生活なども施術方針を決める要素として考えています。4mm程度の「置き鍼」を用いることで、施術後も刺激が持続するよう工夫しています。

生理痛のみのご相談の場合、月経周期に合わせて月経前〜月経中にかけて重点的に通院いただく方が多く、体質改善を目的とする場合は月1〜2回程度のペースで継続いただくこともあります。通院頻度は症状や体質によって個別にご提案します。

 

〈当院で経験した症例〉

当院には、長年鎮痛剤に頼ってきたが「薬に頼らず過ごせる日を増やしたい」という理由でご来院される患者様が多くいらっしゃいます。婦人科で原発性月経困難症と診断されている方の中には、施術を継続する中で鎮痛剤の使用回数が減った、痛みの強さが和らいだと感じられる方もいらっしゃいます。

ただし、これらは個々の症例であり、鍼灸によって痛みが軽減したと断定できるものではありません。体調の変化には、生活習慣の見直しや自然な体質変化など様々な要因が関与する可能性があります。また、続発性月経困難症(子宮内膜症・子宮筋腫など)が背景にある場合は、原因疾患そのものへの婦人科治療が優先されます。

 

〈よくあるご質問〉

Q. 生理痛は我慢するものではないのですか?

「我慢する必要はありません。特に年々痛みが強くなっている場合は、続発性月経困難症の可能性もあるため、一度婦人科でご相談ください。」

 

Q. 鎮痛剤を飲みながら鍼灸を受けても大丈夫ですか?
「はい、問題ありません。鎮痛剤の使用状況を伺いながら、体質改善を目的とした施術を行います。」

 

Q. どのタイミングで通院するのがよいですか?
「月経前〜月経中に重点的に通院される方が多いですが、体質改善を目的とする場合は月経周期に関わらず継続いただくこともあります。」

 

Q. 鍼灸は保険適用されますか?
「生理痛への鍼灸施術は基本的に自費診療となります。詳しい料金は[料金表]をご覧いただくか、お電話・LINEでお問い合わせください。」

 

〈まとめ・受診の目安〉

生理痛は「よくあること」として我慢されがちですが、年々強くなっている、鎮痛剤が効きにくいといった変化がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫など別の疾患が隠れている可能性もあります。まずは婦人科で相談し、原因を確認していただくことをおすすめします。

そのうえで「薬に頼りすぎずに過ごしたい」「体質から整えていきたい」とお考えの方は、鍼灸という選択肢もあります。森鍼灸整骨院では、西洋医学による治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、お一人おひとりに合わせた施術をご提案しています。

 

【LINEでのご相談も承っております】

投稿者: 森鍼灸整骨院

2026.07.24更新

自由が丘の森鍼灸整骨院、院長の森です。

卵巣嚢腫とは、卵巣の中に液体や脂肪などの内容物がたまり、袋状になった状態です。多くは良性ですが、種類や大きさによっては定期的な経過観察や手術が検討されることがあります。この記事では、卵巣嚢腫の種類・原因・症状や一般的な治療法を整理したうえで、当院で大切にしている考え方や鍼灸でのアプローチについてご紹介します。

「健康診断で卵巣嚢腫が見つかった」「経過観察と言われたが、このままで大丈夫か不安」「手術を勧められたが、できれば避けたい」——当院には、こうしたお悩みでご相談いただく患者様が数多くいらっしゃいます。

 

〈卵巣嚢腫とは〉

「腫瘍」という言葉から不安になる方も多いですが、卵巣嚢腫の多くは良性です。一方で、大きくなると周囲の臓器を圧迫したり、卵巣がねじれてしまう「卵巣茎捻転」を起こしたりすることがあります。まれに悪性腫瘍との鑑別が必要になる場合もあるため、婦人科での定期的な診察が重要です。10代から高齢の方まで幅広い年代にみられますが、種類によって発症しやすい年齢は異なります。

 

〈卵巣嚢腫ができる原因〉

卵巣嚢腫は一つの病気ではなく、種類によって発生の仕組みが異なります。チョコレート嚢胞は子宮内膜症によって発生し(詳しくは[子宮内膜症の記事]もご覧ください)、漿液性嚢腫・粘液性嚢腫は卵巣表面を覆う細胞から発生すると考えられています。皮様嚢腫(デルモイド嚢腫)は、生まれつき卵巣内に存在する細胞が発育することでできると考えられています。「食生活が悪かった」「冷えたから」といった単一の原因で発症するものではなく、種類ごとに異なる発生機序があります。

 

〈卵巣嚢腫の4つの種類〉

◎漿液性嚢腫:透明でサラサラした液体が溜まるタイプ。無症状のまま健診で見つかることも多い
◎粘液性嚢腫:粘り気のあるゼリー状の内容物が溜まるタイプ。大きくなりやすく、定期的な画像検査が重要
◎皮様嚢腫(デルモイド嚢腫):髪の毛や脂肪、歯などが含まれる特徴的なタイプ。比較的若い年代にみられ、自然に小さくなることは期待しにくいとされる
◎チョコレート嚢胞:子宮内膜症により古い血液が溜まるタイプ。月経のたびに出血を繰り返し、徐々に大きくなることがある

 

〈主な症状〉

小さいうちはほとんど症状がなく、健診で偶然見つかることも珍しくありません。大きくなると、下腹部痛、腰痛、お腹の張り・圧迫感、頻尿、便秘、月経痛の悪化(特にチョコレート嚢胞)、性交痛などがみられることがあります。

◎卵巣がねじれる:「卵巣茎捻転」を起こすと、突然の激しい下腹部痛や吐き気を伴うことがあり、緊急手術が必要になる場合があります。

◎突然の強い腹痛が出た場合は、様子を見ずに速やかに医療機関を受診してください。

 

〈一般的な治療の考え方〉

治療方針は、嚢腫の種類・大きさ・症状の有無・年齢・妊娠希望・悪性が疑われる所見の有無などを総合的に判断して決められます。

◎経過観察:症状がなく悪性を疑う所見がない場合、定期的な超音波検査で変化を確認します
◎薬物療法:チョコレート嚢胞では低用量ピルやジエノゲストなどで進行を抑える治療が行われることがあります(すべての嚢腫に適応されるわけではありません)
◎手術療法:大きさだけでなく、症状や悪性の可能性、妊娠希望などを総合的に判断して検討されます

「〇cmだから必ず手術」という一律の基準ではなく、婦人科医と相談しながら決めていくことが基本になります。

 

〈鍼灸で期待できること〉

現在の医学では、鍼灸によって卵巣嚢腫そのものが縮小・消失することを示す十分な科学的根拠は確立されていません。一方で、月経痛や慢性的な下腹部痛など婦人科症状に対する補完療法として鍼灸が研究されており、痛みの軽減やQOL(生活の質)の改善が期待されるケースがあります。ストレスや睡眠の質の低下、自律神経の乱れは慢性的な不調の要因となることがあり、鍼灸ではお身体全体の状態を整えることでこうした症状の改善を目指します。

 

〈東洋医学ではどのように考える?〉

東洋医学では、卵巣嚢腫という病名だけでなく「なぜその状態になったのか」という身体全体のバランスを重視します。瘀血(おけつ:血の巡りが滞っている状態)、痰湿(たんしつ:余分な水分や老廃物が停滞している状態)、気滞(きたい:ストレスなどによる気の巡りの停滞)などが関係すると考えられており、当院では脈診・腹診を通してお一人おひとりに合わせた施術を行います。

 

〈森鍼灸整骨院の施術方針〉

脈診・腹診を通して東洋医学的な体質を把握し、月経周期・冷え・睡眠・ストレス・疲労の蓄積・食生活なども施術方針を決める要素として考えています。4mm程度の「置き鍼」を用いることで、施術後も刺激が持続するよう工夫しています。通院の目安は、初回から7回前後は7〜10日に1回、その後は10〜14日に1回ですが、お身体の状態に合わせてご提案します。

 

〈嚢腫の種類ごとの当院の考え方〉

種類当院の考え方
漿液性嚢腫 婦人科での経過観察を継続しながら、身体全体の状態を整えることを目的に施術
粘液性嚢腫 定期的な画像検査を優先し、変化がないか慎重に確認しながら施術
皮様嚢腫 自然縮小は期待しにくいため、経過観察を続けながら全身状態の維持を目標に施術
チョコレート嚢胞 子宮内膜症の一病態として捉え、婦人科治療と並行し月経痛・QOL改善を目的に施術

 ※施術は婦人科での診断・治療を置き換えるものではなく、補完的なケアです。

 

〈当院で経験した症例〉

婦人科での経過観察・治療と並行しながら鍼灸を継続された患者様の中には、漿液性嚢腫で数cmの縮小が確認された症例、粘液性嚢腫で長期間大きさの変化なく経過した症例、チョコレート嚢胞で婦人科治療と併用しながら画像検査で縮小が確認された症例などがあります。

ただし、これらは個々の症例であり、鍼灸によって嚢腫が縮小したと断定できるものではありません。経過には自然経過や薬物療法、生活習慣などさまざまな要因が関与する可能性があります。

※今後、患者様の同意を得たうえで、画像所見や経過を含めた症例紹介ページも順次公開していく予定です。

 

〈よくあるご質問〉

Q. 鍼灸だけで卵巣嚢腫は治りますか?
「鍼灸だけで治る、縮小すると断定できる科学的根拠はありません。当院では婦人科での治療を継続していただくことを前提に施術を行っています。」

Q. 経過観察と言われました。何もしなくても大丈夫ですか?
「経過観察は「放置する」という意味ではありません。婦人科で定期的な検査を受けながら、身体の状態を整える目的で鍼灸を取り入れる方もいらっしゃいます。」

Q. 妊娠を希望しています。鍼灸を受けても大丈夫ですか?
「妊娠をご希望の方にも施術を行っています。現在の治療内容を確認したうえで、婦人科での治療と並行して進めます(詳しくは[妊活・不妊鍼灸の記事]もご覧ください)。」

Q. 皮様嚢腫は自然に小さくなりますか?
「一般的には自然に小さくなることは期待しにくいとされています。婦人科での定期的な経過観察が重要です。」

Q. 手術後も鍼灸を受けられますか?
「術後の経過が安定していれば施術が可能な場合があります。主治医の指示を確認したうえでご相談ください。」

Q. 鍼灸は保険適用されますか?
「卵巣嚢腫への鍼灸施術は基本的に自費診療です。詳しい料金は[料金表]をご覧いただくか、お電話・LINEでお問い合わせください。」

 

〈まとめ・受診の目安〉

卵巣嚢腫は多くが良性ですが、種類や大きさによって治療方針が異なるため、まずは婦人科で正確な診断を受けることが大切です。突然の激しい腹痛がある場合は、様子を見ずすぐに医療機関を受診してください。

そのうえで「経過観察と言われたが不安がある」「婦人科に通いながら身体全体のケアもしていきたい」という方は、鍼灸という選択肢もあります。森鍼灸整骨院では、西洋医学による治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、お一人おひとりに合わせた施術をご提案しています。

【LINEでのご相談も承っております】

投稿者: 森鍼灸整骨院

2026.07.23更新

自由が丘の森鍼灸整骨院、院長の森です。

子宮内膜症は、本来子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が、卵巣や腹膜など子宮以外の場所に発生する疾患です。月経のたびに炎症や出血を繰り返すことで、生理痛や慢性的な骨盤痛、不妊などの原因になることがあります。治療は婦人科での薬物療法や手術が基本ですが、鍼灸は痛みの軽減や生活の質(QOL)の向上を目的とした補完療法として取り入れられることがあります。この記事では、子宮内膜症の基礎知識や一般的な治療法を整理したうえで、当院で大切にしている考え方や鍼灸でのアプローチについてご紹介します。

「生理痛が年々ひどくなってきた」「子宮内膜症と診断されたけれど、薬だけでよいのか悩んでいる」「将来の妊娠への影響が心配」——このようなお悩みでご相談いただく患者様は少なくありません。

 

〈子宮内膜症とは〉

子宮内膜症とは、本来子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が、卵巣・卵管・腹膜・子宮を支える靱帯など、子宮以外の場所で発生・増殖する疾患です。

これらの組織は女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けるため、月経のたびに炎症や出血を繰り返します。その結果、痛みや癒着、不妊の原因になることがあります。卵巣に発生したものは「チョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)」と呼ばれます(卵巣にできる嚢腫全般については[卵巣嚢腫の記事]もあわせてご覧ください)。

 

〈子宮内膜症の原因〉

子宮内膜症の原因は、現在も完全には解明されていません。有力な説として、月経時に子宮内膜組織の一部が卵管を通って腹腔内へ逆流し、定着・増殖する「月経血逆流説」があります。しかし、この現象は多くの女性にもみられることから、免疫機能や遺伝的要因、女性ホルモンの影響など、複数の要因が関与すると考えられています。

 

〈主な症状〉

- 生理のたびに強くなる月経痛、鎮痛薬が効きにくい生理痛
- 性交時の痛み、排便時の痛み
- 慢性的な下腹部痛・腰痛
- 妊娠しにくい(不妊)

症状の強さと病変の広がりは必ずしも一致しません。痛みが軽くても病変が進行している場合もあるため、気になる症状がある場合はまず婦人科で相談することが大切です。

 

〈一般的な治療〉

婦人科では、年齢・症状・妊娠希望の有無などを考慮しながら治療方針が決められます。主な治療には、NSAIDsなどの鎮痛薬、LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)、ジエノゲストなどの黄体ホルモン製剤、GnRHアゴニスト・アンタゴニスト、腹腔鏡手術などがあります。

 

〈鍼灸で期待できること〉

現在の医学では、鍼灸によって子宮内膜症そのものが治癒したり、病変が縮小したりすることを示す十分な科学的根拠は確立されていません。

一方で、鍼灸は子宮内膜症に伴う慢性的な骨盤痛や月経痛の軽減、生活の質(QOL)の向上を目的とした補完療法として研究が行われています。当院でも、婦人科での診療や治療を継続していただくことを前提に、痛みや身体全体のコンディションを整える目的で鍼灸施術を行っています。

 

〈東洋医学ではどのように考える?〉

東洋医学では、子宮内膜症という病名だけをみるのではなく、お一人おひとりの体質や身体の状態を総合的に評価します。例えば、瘀血(おけつ:血の巡りが滞っている状態)、気滞(きたい:ストレスなどにより気の巡りが悪い状態)、寒凝(かんぎょう:冷えによって巡りが悪くなっている状態)などが関係していると考えられることが多く、当院では脈診や腹診を通して全身の状態を確認しながら施術を行います。

 

〈森鍼灸整骨院の施術方針〉

当院では、「子宮内膜症」という診断名だけではなく、その方の身体全体を診ることを大切にしています。脈診を通して全身の状態を確認し、月経周期だけでなく、睡眠、冷え、食事、ストレス、疲労の蓄積なども施術方針を決める重要な要素と考えています。また、4mm程度の置き鍼を用いることで、施術後も刺激が持続するよう工夫しています。

来院頻度は症状や体質によって異なりますが、初回から7回程度までは7〜10日に1回、その後は10〜14日に1回を目安に継続される方が多くいらっしゃいます。

 

〈当院で経験した症例〉

当院では、婦人科での治療と並行しながら鍼灸を継続された患者様の中に、画像検査でチョコレート嚢胞の縮小が確認された症例があります。例えば、薬物療法と鍼灸を併用しながら約1年間経過を追い、超音波検査で嚢胞の縮小が確認された症例や、漢方と鍼灸を継続し、数年かけて病変が認められなくなった症例も経験しています。

ただし、これらは個々の症例であり、鍼灸によって病変が縮小したと断定できるものではありません。病変の変化には薬物療法や自然経過など様々な要因が関与する可能性があります。当院では、婦人科での治療を継続していただきながら、お身体全体の状態を整えることを目的として施術を行っています。

※今後、患者様の同意を得たうえで、画像所見や経過を含めた症例紹介ページも順次公開していく予定です。

リンク:[症例①]

リンク:[症例②]

 

〈よくあるご質問〉

Q. 鍼灸だけで子宮内膜症は治りますか?
鍼灸のみで治ると断定できる科学的根拠はありません。当院では婦人科での診療・治療を継続していただくことを前提に施術を行っています。

Q. 婦人科の治療と併用できますか?
はい。薬物療法や経過観察と並行して通院されている方が多くいらっしゃいます。

Q. 生理痛が強いだけでも受診した方がいいですか?
年々痛みが強くなる、市販薬が効きにくい、日常生活に支障がある場合は、一度婦人科で相談されることをおすすめします。

Q. 鍼灸は保険適用されますか?
子宮内膜症そのものへの鍼灸施術は、基本的に自費診療となります。詳しい料金は[料金表]をご覧いただくか、お電話・LINEでお問い合わせください。

 

〈まとめ〉

子宮内膜症は、生理痛だけではなく、不妊や慢性的な骨盤痛などにも関わる可能性がある疾患です。まずは婦人科で適切な診断と治療を受けることが大切です。

そのうえで、「薬物療法と併用しながら身体の状態を整えたい」「痛みや日常生活への影響を少しでも軽減したい」とお考えの方は、鍼灸という選択肢もあります。森鍼灸整骨院では、西洋医学による治療を尊重しながら、東洋医学の視点も取り入れ、お一人おひとりに合わせた施術をご提案しています。

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投稿者: 森鍼灸整骨院

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